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【アフリカ大陸縦断004】スーダン入国! ハルツームまでの中継地へ(@ワジ・ハルファ/スーダン)

ナセル湖越えてスーダン入国

言葉はわからない。
このブレスレット、おまえにやる。
俺と一緒のものだ。
そういうジェスチャーだった。
おっちゃんは、私にブレスレットをくれた。
たぶんあまり博学ではない。
「ウェルカム・トゥ・アスワン! 困ったことがあったら何でも言ってくれ」
と声を掛けてくれたバスターミナルの男の子の後ろで、
笑顔でこちらを見ていたおっちゃん。
欠けた歯がガタガタのおっちゃん。
英語は喋れない。

なかなか出発しないバスの中でおっちゃんの働きっぷりを眺めてた。
おっちゃんは、バスの荷物係。
細い身体で、次から次へとやって来る荷物を工夫しながら、
バスの中に詰める。
荷台に入りきらず、バスの真ん中にある扉を閉め、
そのスペースにも荷物を詰め込む。
国境を越える乗り物は大抵、大きな荷物を持ち込む人が多い。
おっちゃんは、1度詰めた荷物も
次にやって来る荷物の収まりが悪ければ、手間を惜しまず詰め直す。
周りで喧嘩が始まっても、動じることなく黙々と仕事を続ける。
チップをせがむこともなく、働きもののおっちゃん。
外国人との触れ合いというちょっとした非日常は、
おっちゃんに刺激を与えることができたのだろうか。

ワジ・ハルファ行きバス

スーダン行きのバスターミナルも、カイロから到着したときのバスターミナルと同じバスターミナルだった。始めに乗ったバスは欠便でボロいバスに乗り換える

5時出発予定のバスは、50分遅れてアスワンを出た。
ホテルからのタクシーが手配されていなかったり、
バスの出発時間を知らされていなかったりで、
バタバタした早朝だったけど、とりあえず無事に出発できた。
太陽が昇りカーテンから陽射しが差し込む中、爆睡。
首が痛くなるほど、よく眠れた。

バスが停車したのは、9時。
アスワンの下、アブ・シンベルの近くにいるようだった。
ユキちゃんとリョウヘイ君と3人で、近くの食堂で朝食にした。

途中休憩の食堂

途中休憩の食堂

しばらくすると、バスが動き出した。
ナセル湖に停泊していた船に乗り込んでいる。
人は後から続く。
待っていた乗客が全員乗り込むと、出発した。

ナセル湖を渡る船

ナセル湖を渡る船。桟橋かと思っていたものが船だった

ナセル湖を進んで行く船。
影の席を陣取ればなかなか快適。
日光は容赦なく降り注ぐ。
1時間くらい経った頃、アブ・シンベル神殿よりさらに南の対岸に到着。

ナセル湖を渡る船の中で

ナセル湖を渡る船の中で

スーダン人の子ども達と

スーダン人の子ども達と

到着したのは、どこかの惑星か、と思えるような場所だった。
店なんてありもしなかったけど、スイカを乗せたロバ車が停まっていた。
再びバスに乗ると出発。

ナセル湖対岸

ナセル湖対岸。スイカ売り

ナセル湖対岸

どこかの惑星にたどり着いたのかのようなナセル湖対岸

しばらく走ったところに、エジプト側のイミグレーションがある。
その建物の前で停まると、係の人がやって来て、
乗客全員から50ポンドを徴収。
その後、領収書のようなチケットを貰った。
次にそれを確認する係の人が乗り込んできて、チケットをチェックした。
それがボート代だったのか、出国税だったのかはよくわからないが、
前情報ではボート代50ポンドと出国税50ポンドが必要だとのことだったので、
1度の支払いで済んだことはよかった。

敷地内に入り、バスを降りるとまずは税関へ。
荷物をX線に通す。
次に、出国側の窓口に並んだ。
男性と女性の列が別れていて、女性はあまり並ばずに済んだ。
無事、出国のスタンプを貰ってバスに戻る。
2時間もかかった。

エジプト側イミグレーション

エジプト側イミグレーション

スーダン側のイミグレーションは、すぐ側にあった。
到着すると、建物内に入り入国スタンプを貰う。
ここまでは、スムーズだった。
しかし、外国人は他にも申請が必要らしく
その申請には50ポンドも必要とのこと。
スーダン・ポンドがないので同じ額面のエジプト・ポンドを支払った。
これは外国人登録(スーダンでは入国から3日以内に
外国人登録をしないといけないシステムがある)とはまた別の
何か新しい外国人向けのシステムらしい。前情報にはない出費だ。
申請を終えると、カスタムのチェックを受ける。
荷物を開けて中身を見せると、シールが貼られ、
出口でそのシールを見せないとイミグレーションを出られない仕組み。

無事スーダン入国。
イミグレーションの外にいた両替商に、
残ったエジプト・ポンドを両替してもらった(100E£=115£S)。

再度バスに乗り込むと、砂漠の中を進む。
黒い岩山が所々にある。

スーダンは2011年、北のアラブ系住民と、
南の主にアミニズムを信仰する黒人の非アラブ系住民の対立の結果、
南北が別れた。
南には豊富な地下資源が眠っているため、
今後、北が南に侵攻する可能性もあり、まだまだ政情不安定だ。

イミグレーションから20分ほど走ったところに、小さい家が現れ始めた。
れんが造りの壊れかけているようにも見える家。
15時、ワジ・ハルファ到着。
モスクが中心にあるバスターミナルには、
トゥクトゥクやロバ車が集まって来た。

ワジ・ハルファの街

ワジ・ハルファの町

エジプト人で今はアムステルダムに住むマイケルに
教えてもらいながら、バス会社に行った。
持っているチケットをワジ・ハルファからスーダン行きのチケットに
交換してもらう。
事前に何の説明も受けていなかったので、
マイケルがいなかったらかなり戸惑っていただろう。
明日は4時に出発だ。
スーダンは、夜行バスが禁止されているため、ここでの停泊になっている。

マイケルがチャーターしてくれた面白い内装の車で、
街中のホテルを探し回る。

車の中から見た民家は、土壁の平屋が中心で、
中には建物にもなってないようなものもあったり、
1つの家に何人も住んでいるような様子もあった。
スーダンは、内戦を繰り返してはいるものの、石油資源があったため、
世界のGDPランキングが、188カ国中69位とそれほど低くはない(2014年)。
とはいえ、エジプトからやって来たばかりの私たちには、
小さな地方都市ワジ・ハルファは、とても貧困そうな街に見えた。

バスターミナルから遠くない「クレオパトラ・ホテル」の大部屋を、
4人でシェアして泊まることになった。
冷気の出てこないエアコンとファン、古いベッドが5つある部屋。
外に付いたトイレとシャワーは、とても使う気になれるものではなかった。
まさに監獄レベル。

せっかく明るいうちに着いたので、街を歩いてみることにした。

ワジ・ハルファの街は幹線道路以外、道というものはない。
砂漠の中に集落があるという感じ。
オアシスでもない。
ナイル川沿いなので、作物はできるのかもしれない。

商店が並ぶ通りを歩く。
ユーラシア大陸横断時、イスラム圏で1年くらい過ごした。
でも、アフリカのイスラムは何だか新鮮だった。
アラブ系ではなさそうな黒人もたくさん見かけた。
道を行くのはロバ車が1番多い。

ハルツームの人々

ハルツームの人々

少し歩くと、お腹が空いていることに気付いて、食堂を探してみた。
適当に入った店でフライドチキンを食べた(25ポンド)。
ドラム缶が店の前に置いてあり、蛇口をひねると水が出る。
地元の人たちに習って、手を洗った。
恐らく中は雨水だろう。
よく見ると、レストランの前には決まってこのドラム缶が置いてある。

ドラム缶の手洗い場

ドラム缶の手洗い場

食事の後は、散策の続き。
みんなにジロジロ見られた。
「中国人か?」とよく聞かれた。
スーダンの石油の開発には、多くの中国企業が関わっている。
外国人旅行者の少ないスーダンで、日本人が旅行しているというのは
なかなか想像しがたいことなのかもしれない。

ロバ車

なんだかかわいい装飾の付いたロバ車

さすがにこの暑い国では、
女性もニカーブ(目だけが出ている全身黒の衣服)を着ておらず、
みんなカラフルなヒジャブ(スカーフ。この国では大きめ)を身に纏っている。
町をぐるっと一周回って、女性が集っていたカフェでシャイを飲んだ。
シャイとは紅茶のこと。
ハルツームから旅行に来ているおばさんは、ここに1週間の滞在すると話した。

シャイを、飲んだカフェ

シャイを飲んだカフェ

水を買って、部屋に戻ると頭が痛くなった。
リョウヘイ君は何かにあたったらしく、ダウンしている。

シャワーは、ハルツームまで我慢することにしたので、やることがない。
とにかく寝るしかなかった。
なんだか頭が痛くて、ユキちゃんに相談したら、
熱中症には塩がいいとポカリスウェットの粉のようなものをもらい、
水に溶かして飲んだ。
気持ち楽になって、眠れそうだとい言うと、
ユキちゃんに効くの早すぎだと言われた。
病は気から。

スーダン時間は、1時間早くなっているらしく、
現地時間3時半に起きて、したくをすると、4人で出発した。
宿を出ると、道端にベッドを出して寝ている人がたくさんいた。
星空はきれいだし、涼しいし、蚊の心配さえなければ、
この青空ベッドも悪くないなと思った。

バスターミナルには歩いて10分ほど。
ターミナルに着くと、ミルクシャイを飲んだ。
アラブではシャイにミルクを入れる文化は他になかったので、
それもまた新鮮だった。
マイケルが昨日買ったアエーシ(パン)を朝ごはんにした。
この国のアエーシはエジプトのものより厚くふわふわ。

ワジ・ハルファのバスターミナル

ワジ・ハルファのバスターミナル

バスはすでに待機していたのに、なぜか荷台を開けることを渋る
バスの運転手のせいで乗り込むのが遅くなった。
予定時間より30分遅れの5時に出発。
すぐに眠った。

景色のほとんどが砂漠。
たまに緑がある地帯があって、
そこにはワジ・ハルファよりも小さい町があった。
休憩は1度だけあった。
何度か検問があり、パスポートを提示させられる。
扉が開く度に大量のハエが入ってきて、
その度にスタッフが甘い匂いの殺虫剤を大量に振り撒く。
殺虫剤を撒いた後は、ハエが一気に動かなくなる。

昼寝したり…景色見たり…。
17時頃、民家が広がった地域に入った。
土壁じゃない建物が並びだすと、バスが停まった。
乗客の半分はそこで降りた。
ハルツームに到着したとのこと。
首都なのだから、もっと都会だと思っていたのに。

なんだか不安に思っていると、そこはハルツームの郊外だったようで、
もう少し走ると大きな建物が見えだした。
さらに、ナイル川を渡るとビル群も見えだした。
18時すぎ、ハルツーム到着。

ハルツーム郊外

ハルツーム郊外

ワジ・ハルファの宿:Cleopatra Hotel

【住所】Lat: N 21 47′ 58” Long: E 31 21′ 0”, Wadi Halfa, Sudan
【料金】160SDG(5人部屋、シャワー・トイレ別)
【設備】なし
【評価】☆☆☆☆

移動:アスワン→ワジ・ハルファ

ハルツーム行きバスの停車場所。16時間。380km。ハルツームまで370E£。
アスワン→ワジ・ハルファ

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