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【芸術展覧会レポート】宇宙と芸術展・かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ(@森美術館)

11次元を想像してみてください

さまざまな角度から、
宇宙をテーマにした展示が見られる
森美術館「宇宙と芸術展」に行ってまいりました。

ここに来た目的でもある1番のお目当は、チームラボの作品だったのですが、
それは後に触れるとしまして、まず会場について説明しますと、
「人は宇宙をどう見てきたか?」、
「宇宙という時空間」、
「新しい生命観―宇宙人はいるか?」、
「宇宙旅行と人間の未来」
の4つのセクションで構成されています。

1つ目のセクションでは、
人は古来より未知なる宇宙に興味津々だったのだということを物語る品々が
たくさん展示されていました。
チベット仏教の曼荼羅も宇宙の真理が描かれているし。
日本最高の物語である「竹取物語」の、かぐや姫ってそもそも宇宙人だよね、という話など。

2つ目のセクションは、宇宙という時空間がテーマです。
「星さえも吸い込むブラックホール、今眺めている星の光が何億光年も彼方から放たれている事実、
11次元あるといわれる宇宙空間の不思議」
と説明文に描かれたその言葉にもうすでに広大な宇宙を感じてしまいました。
ここで好きだったのは、太陽光の強度を音で表現し、何千本もの太陽活動の記録映像に重ねた
3チャンネル・ビデオ・インスタレーション「ブリリアント・ノイズ」です。
映像がかっこよかった。このインスタレーションの中で寝たい。

「ブリリアント・ノイズ」

「ブリリアント・ノイズ」

3つ目のセクションでは、宇宙人はいるのか?というのがテーマです。
ここでは特に2つの作品が気になりました。
空山基の「セクシーロボット」とパトリシア・ピッチニーニの「ザ・ルーキー」。
空山基の「セクシーロボット」は、なんか見たことあるなと思っていたら、
エアロスミスのアルバム「Just Push Play」のアルバムジャケットのモチーフになったものでした。
なんともいえない曲線美。そしてかっこいい。
こんなのを玄関において客を迎えさせたい。

空山基「セクシーロボット」

空山基「セクシーロボット」

パトリシア・ピッチニーニの「ザ・ルーキー」は、写真で見てもわかると思うのですが、
とにかく気持ち悪い。
現物を見てもらいたいのですが、とにかくリアルで、毛の感じとか目の回りのみずみずしさとか。
パトリシア・ピッチニーニは、オーストラリアの有名な現代アーティストのようです。
こんな感じの人間を変形させたようなモンスターの彫刻をたくさん作っているそうです。
気持ち悪くて思わず顔に手を覆いたくなるんですが、
やっぱり指の股から見たいというような感覚になるのです。

パトリシア・ピッチニーニの「ザ・ルーキー」

パトリシア・ピッチニーニの「ザ・ルーキー」

その他このセクションでおもしろかったのは、
漫画で描かれた宇宙人がずらっと展示されていたところ。
いろんな形の宇宙人が描かれておりました。
後、江戸時代後期、常陸国(現在の茨城県神栖市近辺)にUFO状の不思議な物体が漂着したという
うわさ話を元に作られた絵とかもおもしろかったです。
だってどんぶりにしか見えないし、そのUFOはうつろ舟と呼ばれていたそうなのですが、
そのままショップでは「うつろ舟どんぶり」等というものも売られていました。

うつろ舟

うつろ舟。真ん中のもの。どんぶりです

そして、4つ目のセクション。
ここは、宇宙旅行時代到来間近の今、これからの人間と宇宙の関係や、
人間の生き方はどう変わっていくのかというテーマです。
その中で、コンスタンチン・ツィオルコフスキーというロケット研究者の手稿が
展示されていました。
それ自体なんともないものだったのですが、そのロケット研究者という人の肩書きが、
ロケット研究者、物理学者、数学者、SF作家というすごい組み合わせで、
人間の脳のすごさに宇宙を感じてしまいました。

そして、最後うっかり通り過ぎてしまいそうになったのですが、
お目当てのチームラボの作品。
「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space」。
暗くされた部屋に入っていき、インスタレーションを見ました。
3Dの八咫烏が光線を描きながら飛び回ります。
いろんな効果で目の錯覚を起こし、隣で座っているおじさんが動いているように見えました。
ずっと見ていると平衡感覚を失い、宇宙をさまよっているような感覚になるのです。
インスタレーションですので、これはやはりその場でしか味わえない感覚なのです。
楽しかった。本当は5回くらい見たかったくらいです。

チームラボ「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space」

チームラボ「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space」”

前に五百羅漢展を見に行ったときもそうでしたが、
今回も写真を撮影できるエリアがけっこうありました。
SNSが宣伝効果をもたらすからでしょうね、世も変わったものです。

森美術館:「宇宙と芸術展」

【会場】森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F)
【会期】2016年7月30日(土)~2017年1月9日(月)
【時間】10:00-22:00 ※火曜日は17:00まで、入場は閉館の30分前まで。
【休業】会期中無休
【料金】一般1600円、高校・大学生1100円、4歳~中学生600円
【URL】http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/index.html

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