草津温泉は、日本武尊や行基、源頼朝が開湯したという伝説を持つほど、
古くから知られた湯治場である。
江戸時代の温泉番付では、当時の最高位である
東大関に格付けされた。
豊臣秀吉に徳川家康、松尾芭蕉に十返舎一九、
この湯に魅せられた歴史上人物も多々あり。
草津温泉は別府温泉、白浜温泉とともに日本三大温泉、
また有馬温泉、下呂温泉(岐阜県)とともに日本三名泉と言われる。
効能、知名度も日本随一の温泉だ。
草津温泉は温泉地の中央にある湯畑を中心とした
風情のある温泉街だ。
湯畑周辺は、湯気と硫黄の匂いが立ちこめる。
この湯畑のデザインをしたのは岡本太郎らしい。
湯畑の中にある木枠は、徳川吉宗が御汲上げの湯枠だ。
その湯を江戸まで運ばせ入浴したようだ。
最後の滝になっている部分に、
昔は「大滝乃湯」と呼ばれる露天の共同湯があったらしい。
湯畑の西には、湯もみショーが行われる湯小屋があり、
下からは源泉が沸いている。
草津には、江戸時代から伝わる独特な入浴法「時間湯」がある。
草津温泉の源泉は51度から熱いところでは94度もあり、
しかも刺激の強い酸性泉。
この高温を生かし、温泉療法として利用したのが時間湯だ。
しかしそのままでは熱くて入浴することができないので、
水を使わず自然に温度を下げる方法として、
「湯もみ」が考え出された 。
時間湯は1日4回行われ、
そしてこの時に調子を取るため歌われるのが
「草津湯もみ唄」。
当時を想像するとなんとも風情がある。
その南にある光泉寺に行ってみるのもいい。
東の草津、西の有馬と、
山中の湯、城崎の湯、道後の湯のいづれかが加わって
日本三大温泉薬師と呼ばれた。
町中には、共同浴場も多く存在しており、
さまざまな湯が楽しめる。
いずれも無料だ。
また、温泉街西側の荒原地帯にある西の河原公園にも足を伸ばすべき。
一帯には遊歩道が整備されていて、
温泉が湧出する様子を観察できるようになっている。
そして、町営の「西(にし)の河原露天風呂」には絶対に入浴したい。
料金は、大人500円、小人300円。
4月~11月は、午前7:00~午後8:00、
12月~3月は、午前9:00~午後8:00(いずれも終了30分前までに入館)。
湯は、万代鉱源泉から引いたもので、
泉質は酸性-硫酸塩・塩化物温泉(酸性低張性高温泉) だ。
面積が500㎡と、広さが自慢でとにかくその開放感が素晴らしい。
【住所】群馬県吾妻郡草津町
【泉質】酸性泉、硫黄泉、アルミニウム
【泉温】53.9 °C