十和田湖から奥入瀬渓流を経由して、
傘松峠を越えると、高度約900mの酸ヶ湯温泉に到着。
酸ヶ湯温泉は八甲田の山の中にある一軒宿で、
豊富な湯量と各種の効能で、湯治客も多い。
江戸時代前期の1684年(貞享元年)の開湯と、
古くから人気の湯地場だ。
1954年(昭和29年)には、
四万温泉、日光湯元温泉と共に
国民保養温泉地第一号に指定されている。
風呂は、混浴の千人風呂と、男女別の玉の湯がある。
もちろん、名物の「ヒバ千人風呂」へ。
女性の脱衣所に入ると、まず話題になる。
「大丈夫? 見られない?」
そして、一人は肝っ玉の据わった人がいて、
「誰も見てないよ!!
私が前に来たときは、仕切りなんかなかったよ!
大丈夫、堂々と入っていきな!」
と後押ししてくれる。
ちなみに、仕切りができたのは2004年からで、
今は「混浴を守る会」なるものもあり、
混浴を守ろうという動きがある。
脱衣所から、浴室の扉を開けるとそこは異世界。
広さ160畳もの浴室がすべてヒバ造り。
小さなつい立てを隔てて、
男も女も裸で湯気の中、くつろぐ。
強い硫黄臭が立ちこめる中、一番奥の「四分六分の湯」に直行。
乳白色の湯の中に入り奥に入ると、
つい立てはなくなり、まさしく混浴に入っている感じだ。
しかし、湯はかなり熱い。
その手前の「冷の湯」では、飲泉もできた。
酸っぱかった。
男のエリアの、
四分六分の湯の横には打たせ湯「湯滝」があり、
脱衣所寄りに「ねつの湯」もある。それぞれ源泉が異なる。
シルバーのアクセサリーがすっかり真っ黒になるほど、
濃い湯で、疲れがすっかりとれた。
【住所】青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50
【泉質】酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉)