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【アフリカ大陸縦断016】土曜に開催されるナイアビンギに参加するために(@シャシャマネ/エチオピア)

ラスタファリについて理解を深めるために

昨日、わざわざバスターミナルまで、
シャシャマネ行きのバスについて聞きに行ったのに、
みんな言うことがバラバラで、結局、
何時に出発するのか、日に何便あるのかわからないまま。
朝8時、荷物はまとまっているが、雨。
とにかく寒い。
昨日の夜も寒くて目が覚めたくらいだ。
早くアジスアベバを出たかった。
マキアートを飲んで一服して、9時。
雨が止んだ。
とりあえず、バスターミナルに行ってみようとチェックアウト。

ピアッサ内のミニバス乗り場から、マルカートのバスターミナルに行った。
アワサ行きのバスがシャシャマネを経由するらしいということで、
さっそく乗り込んだ。
時計を見ると10時だった。
バスの中には、2人の乗客がいて、
どうやら満員になると発車するらしかった。
席に座って待つこと1時間強。バスは出発した。

緑の多い景色。
スーダンから続く、円錐屋根の家はここにもあった。
道端にある野菜売りたちが集まるエリアでは、野菜の色や現地の女性の服が
とても鮮やかで、アフリカにいるんだなと実感する。
ウトウトと昼寝して、3時間後、ズワイという町でランチ休憩があった。
食堂が並び、店の前では激しく客取り合戦が繰り広げられていた。
バスの見える1番手前の店で昼食。
ここで食べたパスタは、エチオピアで食べたパスタの中で1番不味かった。
ハラール・ビールも飲んでみる。ちょっと酸味が強い。

ズワイのバスストップ

ズワイのバスストップ

そこからしばらくすると、シャシャマネの町に到着。
小さい町だ。
お目当ての宿までとりあえず歩いてみたが、どうやらトクトクで
行った方がよさそうだと、現地の人の身振り手振りで悟った。
確かに遠かった(10ETB)。

恐らく町で1番大きなホテル「リフトバレー・ツーリスト・ホテル」に行った。
レセプションに行くと、高い値段の部屋ばかりを紹介された。
195ETBで泊まれると聞いて来たんだけど、と言ってみると、
そうかそれなら特別な部屋があると案内してくれた。
別に悪いところも見当たらなかったのでそこに泊まることにした。
広い庭があって、レストランやバーもある。
見た感じは少しリッチなリゾートホテル。
そこそこにくつろげそうな宿だ。

少し休むと、ここに来た目的でもあるラスタ村に向かうことにした。
ラスタ村とは、ジャマイカからの移民たちが暮らす場所だ。
私はルーツロックレゲエが好きで、ラスタファリについては興味があった。
ラスタファリ運動とは、1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を
中心にして発生した宗教的思想運動である。
信仰するのは、アフリカから奴隷としてジャマイカに連れて行かれた人々の子孫。
社会的にも経済的にも苦しい生活を強いられていた彼らにとって、
アフリカは帰りたい夢の故郷。
特に一度も植民地化されていないエチオピアは憧れの地だった。
ラスタファリアンたちは、エチオピア帝国最後の皇帝、ハイレ・セラシエ1世を
ジャー(聖書の中の神様)の化身かそれ自身だと解釈している。
いわば新興宗教のようなものだ。
名称はハイレ・セラシエの即位以前の名前ラス・タファリ・マコンネンに
由来。
菜食主義やドレッド、ガンジャを聖なるものとしているのが特徴だ。

60年代後半、スカ、ロックステディに変わって流行したレゲエは、
ラスタの思想やメッセージを手段として使われた。
特にボブ・マーリーは世界的な名声を手にいれ、ラスタファリ運動が活発になる。
(その後80年代には、レゲエとラスタファリは関係なくなっていき、
ラスタファリ思想のレゲエはルーツロックレゲエとジャンル分けされる)。
ラスタファリ云々は関係なく、ボブ・マーリーの歌はいいので、
聞いたことない人は聞いてみてほしい。
「ロッカーズ(Rockers)」という映画は、
ルーツロックレゲエ全盛期のアーティストが多数出演する
カッコイイ映画で、興味のある人にはこれもオススメ。

なみに、レゲエという音楽は、60年代後半ジャマイカで、
スカ、ロックステディに変わって流行し、
ラスタの思想やメッセージを広める手段として使われたものだ。
特にボブ・マーリーは世界的に人気を博したため、
ラスタファリ運動が活発になった。
その後80年代には、レゲエとラスタファリは関係なくなっていき、
ラスタファリ思想のレゲエはルーツロックレゲエとジャンル分けされている。
ラスタファリ云々は関係なく、ボブ・マーリーの歌はいいので、
聞いたことない人は聞いてみてほしい。
「ロッカーズ(Rockers)」という映画は、
ルーツロックレゲエ全盛期のアーティストが多数出演する
カッコイイ映画で、興味のある人にはこれもオススメ。

レゲエはさておき、ラスタファリアンの間で行われる宗教的な集会、
それをナイアビンギというのだが、その集会で音楽が演奏される。
そのナイアビンギが開催される教会が、ラスタ村にあるらしい。
私は、音楽を取り入れトランス状態に入っていく宗教の儀式には
とても興味がある。
とても神秘的だからだ。
(あやしい新興宗教の変な儀式のことではないのでご心配なく)。
これはぜひとも行かないとと思い、シャシャマネに来たのだ。
しかも、ナイアビアンギは不定土曜に行われるそうな。本日土曜日。

リフトバレーホテルの前

リフトバレーホテルの前。大きな鳥が空にたくさん現れた

あまり英語が得意じゃないホテルのスタッフにラスタ村へ行きたいんだが、
と言うと何だそれって顔をされた。
門番にラスタ村の写真を見せてみると、ジャマイカ・ビレッジだと言い、
ホテルの前でトクトクを停めてくれた(20ETB)。
雨が降りそうな雲行き。

BLACK LION MUSIUM

BLACK LION MUSIUMの奥がラスタファリ運動のグループの1つ「Twelve Tribes of Israel」の施設

10分くらいでラスタ村に到着した。バスの中からも見えていた。
「BLACK LION MUSEUM」の横にある施設の前。
ラスタ村には、いくつかのコミュニティがあり、ここはその1つ。
ラスタファリ運動の数あるグループの1つ「Twelve Tribes of Israel」の施設だ。
そこにいたラスタウーマンに、施設の中を紹介してもらった。
イベントスペースもあるようで、11月には大きなイベントも開催されるそう。
「もう宿は決めているの? ここに泊まることもできたのに。無料でね。
またの機会に来るといいわ」と言われた。
見学させてもらったお礼に門番に10ETBを支払った。

案内してもらった彼女にナイアビンギに参加したいと言うと、
頭を隠すスカーフと腰に巻くスカーフがないと参加できないと言われた。
そんなことは知らなかった。
「外観だけでも見たいというなら案内するけど」という男の人がいたので、
案内してもらうことにした。

ナイアビアンギ教会入り口

ナイアビアンギ教会入り口

Twelve Tribes of Israelの施設から、
ナイアビアンギ教会までは歩いて15分ほど。
歩いているうちに途中、雨が降り出した。
教会の門を入ったところで雨が激しくなり、急いで1番奥の建物のテラスに行き、
雨を凌いだ。

テラスでは、この近所に住む若い男の子たちが大麻を吸っていた。
ちなみに、シャシャマネ産の大麻は質がいいという噂。
建物の中には、風格のあるドレッドのラスタマンたちが大麻を吸っていた。
テラスにあるベンチに腰をかける。
少しすると、建物の中にいる1人のラスタマンがやって来て、
「この女、スカーフを巻いてないじゃないか」と、
ガイドをしてくれている男の人に怒った。
ガイドは、雨が降っているので仕方ないじゃないかと反論。
ラスタマンも自分たちの主義はどうしても曲げられないとそれに反論。
結局、ガイドの男に上着を借りて頭だけは隠すというところで落ち着いた。
なぜその言い合いがわかったからと言うと英語だったから。
建物の中にラスタマンたちは、
イギリスに住んでいるジャマイカ人ミュージシャンなんだとか。

建物の中をのぞいた。
ぼんやりとしたオレンジ色のライトの中にラスタマンが3人いるのがわかった。
壁にはハイレ・セラシエ皇帝の写真がいっぱい貼ってある。
この建物の入り口についている看板は日本人が作ったそうな。
テラスにいた男が、今日の昼過ぎまでナイアビンギをしていたんだと
教えてくれた。
夕方に行うものだと思っていたのがそもそも間違い。
来週の土曜日に来ればいい、と言うがそんなに長くはいられない。
またしばらくすると、ラスタマンが出て来た。
「おまえは何で英語を話すんだ。アムハラ語を話せよ」とガイドに言う。
しかし、ラスタマン、アムハラ語はあまりわからないのだ。
それでもラスタの思想からそう言うのだろう。
しばらく言い合いした後、握手して仲直りをしていた。

雨宿りをしたナイアビアンギ教会の建物

雨宿りをしたナイアビアンギ教会の建物

雨が上がると、そこを出た。
ナイアビアンギを見ることができなかったのは残念だったが、
こういう場所があるということを知るきっかけになったのでまあいい。
ガイドにはお礼を支払った(50ETB)。
帰りは乗合いのバジェットで帰った(4ETB)。

翌朝は早くに目が覚めて、その日の予定を考えた。
この心地のよい宿でもう1泊するか、予定通りアルバミンチに移動するか。
まだ決めきれていないうちに、ハウスキーパーがやって来た。
チェックアウトすることにした。

11時すぎ、ホテルに荷物を預けて出かけた。
天気がいい。
とりあえず歩き始める。
この町の中心はどこにあるのだろう。
ラスタ村からの道の反対方向に建物が並んでいるのが見えた。
あそこだ。

シャシャマネの中心地

シャシャマネの中心地

乗り合いのバジェットで、中心まで3分くらい行ってみる(1ETB)。
シャシャマネの町に来るのは、ラスタ村に興味がある人くらい。
なので、外国人は珍しいようだった。
人にジロジロ見られながら、町の中心をしばらく歩いた。
カフェで、フルーツエスプレッソを飲む。
マンゴーやガヴァやアボカドが層になったジュース。
これまためちゃくちゃ美味しい。
ちょうどいい朝食だ。

それから、バジェットを貸し切ってラスタ村に向かった(10ETB)。
今日は写真を撮るだけ。
ナイアビンギ教会に行った。
これまたやっぱりガイドがやって来る。
昨日ガイドに話を聞いたから写真を撮りたいだけなんだ、
と言ってもガイドは案内しようとする。
仕方ないのでガイドをつけることにした。
昨日は土曜日で、ナイアビンギが行われる日だから
頭や腰にスカーフを巻かなければいけないと言われたが、
今日のガイドは中に入るならいつどんなときもスカーフが必要だと、
着ていたシャツを私の頭に巻いてくれた。

ナイビアンギが行われる会場

ナイビアンギが行われる会場

ハイレ・セラシエ皇帝とセント・ジョージ

左がセント・ジョージで、右がハイレ・セラシエ皇帝とそのペットのライオン

昨日は見ることができなかったナイアビンギが行われる祭壇を見学する。
ガイドは、ハイレ・セラシエ皇帝の起こした奇跡をたくさん話してくれた。
例えばそれは、ジャマイカで干ばつがあったとき、
ハイレ・セラシエ皇帝が訪れたら雨が降り出したとか、そういうような話。
会場内は、ハイレ・セラシエ皇帝の大きな絵が飾られていた。
ハイレ・セラシエ皇帝は当時、ジャマイカを訪れ、
自分が神様のように扱われていることに驚いたそうだ。

今回のガイドの話を聞いていてわかったのは、
ラスタ村には4つのコミュニティーがあるということ。
それらコミュニティーは、昨日行った施設やナイアビンギ教会など、
それぞれ集まる場所が別らしい。

奥の建物の外観も少しだけ写真を撮ったら、退散しようと思っていた。
すると、現れたのは昨日何度も私のガイドに注意をして来たラスタマン。
今度は私を標的にしだした。
どうやら人をコントロールしたいタイプの人間らしい。
いろいろ因縁をつけられ、長い話を聞かされる羽目になった。
どれほど長い間隙をみて、てきとうに逃げた。
ガイドにチップを払って、退散。

ラスタ村のある幹線道路沿い

ラスタ村のある幹線道路沿い

幹線道路沿いをしばらく歩いて、バジェットでホテルに戻った。
荷物を引き取ると、バジェットでバスターミナルに向かった。
さて、次はアルバミンチ。

シャシャマネの宿:Rift Valley Hotel

【住所】Shashemene Bus Station, Shashamane 7955
【料金】195ETB(シングル、トイレ・シャワー付)
【設備】Wi-fi
【評価】★★★★

移動:アディスアベバ→シャシャマネ

バス(2等)で4時間半。252km。81ETB。
アディスアベバ→シャシャマネ

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