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【アメリカ大陸縦断016】地震と内戦から復興しつつある首都(@サン・サルバドル/エルサルバドル)

どれだけ治安が悪いのか緊張しながらの入国

早朝、みんなに見送ってもらい、宿を出た。
アティトラン湖もこれで見納め。
教会の前まで行くと、チキンバスの姿がなかった。
「グアテ?」と教会前のお店のおじさんに声を掛けられた。
そうだと言うと、7時と8時の便があると教えてくれた。
7時過ぎだったので、8時の便を待つしかない。
そのままおじさんのお店で、オレンジジュースとパンを買い、朝食にした。

チキンバスがやって来ると、乗り込んだ。
8時には、車内にまばらに客を乗せ、出発。

アティトラン湖の周りは、デコボコ道。
眠くはあったが、車体が揺れるので眠れそうもなかった。
少し走っては乗客を乗せ、次第にバスは満車になった。
アティトラン湖を離れ、道が平になって来ると眠気に襲われ、ウトウト……。

誰かにつつかれて目が覚めた。
気がつくと、バスの中から人がいなくなっている。
つついてくれたおじさんが、あっちと指差した方向を見ると、
料金徴収の男の人に乗客が群がっていた。

波に乗り遅れてはいけない。

あわててバスを降りると、状況を把握した。
どうやらバスが故障したらしく、
乗客はそこまでの移動代の残りを取り戻そうとしているらしい。
35Q払って、戻って来たのは25Q。
それからどうすればいいのかわからなかったが、
とにかく他の乗客と一緒に他のチキンバスが来るのを待った。

チキンバス故障

チキンバス故障

「シェラ!」とそこにいた人々が口々に言った。
乗っていたチキンバスが故障してから20分ほどで、
後方から別のチキンバスがやって来た。
通称シェラはケツアルテナンゴのこと。
乗客がみんなそのバスに乗ったので、私も出遅れずに乗り込んだ。
「グアテマラシティに行きたいんだけど」と、
料金徴収の男の人に言うと、
どこかで乗り換えればいいと言っているようだった。

しばらくすると、みんなが下車する場所があった。
料金徴収の男の人が、指差してくれたので、そこで乗り換えなのがわかった。
出遅れないようにみんなについて行く。
そこで、シェラからグアテマラシティに向かうワゴン車がやって来たので、
乗り来んだ。

この車もまたぎゅうぎゅう詰め。
3人掛けのシートに補助席を出して、そこに5人が座る。
隣のおばあさんは私の2倍くらいの大きさ。
ぐねぐねの山道を、右カーブでは右に人が片寄りながら、
左カーブでは左に人が片寄りながら進んで行く。

2回目に乗り換えした場所

2回目に乗り換えした場所

サン・ペドロ・ラ・ラグーナを出て4時間半が経った頃、
グアテマラシティに入ったらしかった。
フローレスからグアテマラシティを経由したときに、
車窓から見たグアテマラシティとはまた違った側面を見た。
Foever21などのファストファッションが入ったショッピングモールや、
ビルが立ち並ぶエリアも見た。
グアテマラシティはどんな場所なのか気にはなったけど、
世界に名だたる治安の悪い街だし、やっぱり私はスルーさせてもらって
間違いなかったと思う。

料金徴収の男の人に、
TICA BUSのターミナルに行きたいと言っておいたら、
ちょうどいい場所のタクシー乗り場に降ろしてくれて、
タクシーの運転手に私の行きたい場所を言っておいてくれたみたいだった。
どこにいるかわからなかったので、
交渉の仕方もわからず、とりあえず少し下がると納得して乗車した(50Q)。
「サン・サルバドルに行くなら、TICA BUSは他のバスより高いよ」
……みたいなことをタクシードライバーに言われ、
他のバス会社のことを教えてくれたけど、
スペイン語で全部を理解するのは難しかったので、
TICA BUSのターミナルに行ってもらうことにした。

TICA BUSのターミナルに着いたのは、13時頃。
バスが出るのは14時。
「バスの中では何もでない。着くのは20時頃になると思うから、
何か食べるならここで食べておいた方がいいよ」。
そう言われ、併設されているレストランで昼食にした。
ケツァールを使い切って足りない分はドルで補ったのだけど、
(TICA BUS内はドル払いが可能)
バッグの奥から200Qが出て来てすごく残念な気分になった。

バスに乗るのは、ほとんど近隣国の人のようだ。
私以外のバックパッカーは、サーフボードを持つスペイン人カップルの旅行者。
(エル・サルバドルには、サーフィンで有名なエルソンテという場所がある。
14時にバスが発車すると、グアテマラシティを出て田舎道を走った。
私は、シートと自分の身体が一体になったみたいに、身体の感覚がなくなり、
目を開けることができないくらいぐっすりと眠った。

16時すぎ、グアテマラの国境に到着すると、
TICA BUSの係員にパスポートを徴収された。
しばらくすると、出国スタンプを押されたパスポートが戻って来た。
そして、エルサルバドルの国境へとバスは移動する。
エルバサバドルでは、イミグレーションの係員がバスの中に入って来て、
乗客1人、1人のパスポートをチェックした。
スタンプが押されることもなく、それで入国審査は完了らしい。
あっけなかった。
国境の両替商に100Qだけドルに両替してもらったら、
とんでもなくレートが悪かった。
エルサルバドルでは以前、独自通貨のコロンがあったのだが、
2004年に流通停止となり、現在はUSドルに移行している。

眠気眼をこすり、車窓からグアテマラ国境を撮影

眠気眼をこすり、車窓からグアテマラ国境を撮影

そして、バスはサン・サルバドルを目指して走り続ける。
夜も更け、すっかり外は真っ暗になった頃、20時。
TICA BUSのオフィスに到着。
ターミナルではなく、オフィスの上にホテルが併設されているだけだ。
(併設のホテルは、シングル1泊24ドル、2泊目以降30ドルとのこと)。
ここで、乗客がはけたら危険になりそうかもしれない。
サン・サルバドルは、1980年から12年におよぶ内戦により
治安が悪化していおり、特に夜は治安が悪いことで有名だ。

TICA BUSオフィスから乗ったタクシー

TICA BUSオフィスから乗ったタクシー

客引きのタクシー運転手に行きたいホテルの名前を言うと、
すぐにわかってもらえた。
これまた自分がどこにいて、行きたいホテルまでの距離もわからなかったので、
てきとうに値引き交渉して行ってもらうことにした(7ドル)。

暗い夜のサン・サルバドルの街を見ながら、
少し緊張気味でお目当てのホテルに到着した。
ホテルに到着すると、
アンティグアで一緒だったコウくんとシュンくんが出迎えてくれた。
3人部屋を取っておいてくれていて、さっそく部屋に入った。
シュンくんがコーヒーを入れてくれて、ほっと一息。
その安心感といえば言いようがないくらいのものだ。

ホンジュラスに旅立つシュンくんをお見送り

ホンジュラスに旅立つシュンくんをお見送り

翌朝、ホテルに併設されたレストランでみんなで朝食にして、
ホンジュラスに旅立つシュンくんを、コウくんと2人で見送った。

昼前にはコウくんと2人で、サン・サルバドルの街を散策し始めた。
まず最初に行ったのは、中心街の北部にある公園(入場料75セント)。
子ども向けの公園で、ちょっと独創的な遊具がある。
その遊具のほとんどが、
星の王子様に登場するものをモチーフに作られている。
なぜなら、「星の王子さま」の作者、
サン・ペグジュペリの妻・コンスエロ・スンシン・デ・サンドバルは、
エルサルバドル出身だからだ。
エルサルバドルと星の王子様のつながりは深く、
政府もプロモーションに力を入れていきたいようだ。

Parque Infantil

Parque Infantil

公園を出ると、露店が軒先を並べる通りを歩いた。
治安が悪いといえど、昼間の人通りのある場所はそんな風なことは感じない。
人々も陽気ではないけど、冷たい人はいない。
メスティーソの割合がかなり増え、金髪っぽい人もいる。

標高の高いグアテマラから、標高689mのサン・サルバドルに来て、
日中の暑さにやられる。
喉が乾くと、フレッシュジュースの店に入って、
イチゴミルク(0.5ドル)を飲んだ。

露店は、そのままカテドラル・メトロポリターナに続いていた。
カテドラル・メトロポリターナはサン・サルバドルの中心地だ。
中に入ってみると、鮮やかな色のステンドグラスの明かりがとてもきれい。
2度の大地震で修復されたので、きれいな建物だ。

カテドラル・メトロポリターナ

カテドラル・メトロポリターナ

カテドラルを出ると、その近くから出ている2番のバスを探して歩いた。
ガイドブックに載っていた「平生三郎公園」という
謎の公園に行ってみようと思ったからだ。
だけど、探しても探しても2番のバスはみつからず、
暑さで疲れていたせいもあって、
そこに行かなくてもいいかなという思いになり、諦めることにした。
後から調べたら、1950年代、エルサルバドルで活躍した
実業家・平生三郎氏の偉業を記念して、
エルサルバドル国民が感謝の気持ちをこめて造園したものだと知った。
エルサルバドル人が作る日本庭園なんてシュールな場所だったら、
行ってみてもよかったかなとも思った。

露店はカテドラルを中心に広範囲に広がっている

露店はカテドラルを中心に広範囲に広がっている

そのまま、中心地を歩いた。
露店はかなり広範囲に広がっており、活気がある。
とある一角では、賭けトランプが流行しているらしく、
あっちこっちで、その様子が見られた。
しかし、私の知っているルールのゲームではなく、
しばらく見ていてもどうやったら勝つのかはわからなかった。

賭けトランプが流行するエリア

賭けトランプが流行するエリア

街の中心をしばらく歩くと、
大流行しているローカルのファーストフード店で昼食にした。
お腹もいっぱいになったので、一度宿に戻ろうか歩き出したら、
サッカーがTVで流れているスポーツバーらしきものを発見した。
木曜の15時から、客は少なくなかった。おじさまばかりだ。

ちょっと一杯……ということになり、カウンターに座った。
店を切り盛りするママに、ビールを注文(1ドル)。
ママの他に、若くてきれいな女性の店員が2人。
酔っぱらいに絡まれながら接客する。
サッカーの試合が終わると、LED ZEPPELINのシャツを着た男が、
ジュークボックスでハードロックを流した。
時々、知っている曲があって口づさむと、おじさんと息が合う。
2本目を少し飲んだあたりで、隣のおじさんに1本おごってもらった。
3本目を飲み始めたときに、また1本おごられた。
4本目は1口つけただけで、もう1本。
周りのおじさんたちも酔いが回って来ると、
みんな私にビューティフォーだと言ってくる。
たぶん、ここ1ヶ月で一番褒められたと思う。
それはそれで少しうざいので、いい感じのところで宿に戻った。

スポーツバーのカウンターにて

スポーツバーのカウンターにて

宿に戻って、苦手な水シャワーを浴びたら一気に酔いが冷めた。
明日は、朝から移動だ。

泊まった宿:Hotel Pasadena II

【住所】3a Calle Poniente1037 | Centro, San Salvador, El Salvador
【料金】25ドル(トリプル)、20ドル(ツイン)
【設備】Wi-fi、キッチン
【評価】★★★☆☆

移動:サン・ペドロ・ラ・ラグーナ→サン・サルバドル

バス(チキンバス)でグアテマラシティまで4時間。45Q(直通なら35Q)。国際バス(TICA BUS)で6時間。177Q。310km。
サン・ペドロ・ラ・ラグーナ→サン・サルバドル

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