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【アフリカ大陸縦断032】ボラれて始まる奇妙な日と雲間に見たキリマンジャロ(@モシ/タンザニア)

ツーリストプレイスの洗礼

朝5時、ちょうど部屋を出ようとしていたとき、
タクシードライバーのアスティンが迎えに来た。
彼は荷物を持ってタクシーまで運んでくれた。
ニェゲジ・バスターミナルまでは15分ほどで到着。
タクシーを降りた後もアスティンは一緒にいてくれ、
バスを一緒に探し、待ってくれた。

バスはすっかり辺りが明るくなった頃、
結局1時間も遅れてターミナルにやって来た。
すぐに乗り込み、7時すぎに出発した。

ムワンザのニェゲジ・バスターミナル

ムワンザのニェゲジ・バスターミナル

バスの中には珍しく、私の他にもアフリカ人以外の外国人が数人いた。
さすが、アルーシャ、モシと、タンザニアの人気観光地に向うバス。
シニャンガまでは来たときと同じ道を戻る。
それからさらに南、シゼガで東に左折した。
景色を見ていると、サバンナの景色の中にバオバブの木が現れた。
悪魔が根ごと引き抜いて、逆さまに突き刺したとの伝説を持つ、バオバブの木。
確かにそんな風に見える。

4時すぎ、シンギダのバスターミナルに到着した。
それから順調に走って、夕暮れ時にまた
どこかの街中のバスターミナルに停車した。
たくさんの人が入ってきて、ぎゅうぎゅう詰めになった。
しかし、バスは動き出さない。
辺りがすっかり暗くなった頃、乗客がバスを降りた。
どうやら、バスのランプが故障したらしい。
修理を試みるものの直らず、結局ランプなしで走ることが決まり、再出発した。
ゆっくり時間をかけて、安全運転で進むバス。
到着予定時刻が過ぎても、まだまだ先は長そうだった。

すっかり熟睡していた頃、大きな街のバスターミナルに着いた。
アルーシャだった。
セレンゲティ国立公園やンゴロンゴロ国立公園へのサファリの拠点となる街。
そこで、たくさんの人が降りて行った。
時刻は23時。
モシに着くのはかなりの深夜帯だ。
不安になりながらも、眠気の方が勝ち、すっかり熟睡してしまった。

気がつくと、仲がいい友達が近くに座っていた……なんて都合のいい夢を見て
目が覚め、さすがに冷静になって、ヤバイかもしれないと焦った。
モシに着いたのは、翌1時のこと。
7時間遅れの到着だ。

もしホテルが空いていなかったらどうなるだろうと不安になっていると、
タンザニアの若者2人組が助けてくれた。
ホテルまでついて来てくれて、もし空いていなかったら、
また別の手段を考えようということになった。
3人でタクシーに乗ってお目当ての宿に着くと、ベルを鳴らす。
すると、中からスタッフが出てきた。
助けてくれた若者たちと連絡先を交換して別れた。

ドミトリーの部屋は、鍵がかかっていて、中から開けてもらわないと
入れないらしく、この時間に部屋の人を起こすのも何なので、
ちょっと高いけど、シングルに泊まることにした。
せっかく1人部屋なので、夜にも関わらず、ここぞとばかりに洗濯までした。
3時、キリマンジャロビールを飲みながら一服していると、
入り口のベルをものすごい勢いで鳴らす人がいた。
スタッフが起きて、ドアを開けると、
ヨーロピアンの女性と現地の男が酔っ払って入ってきた。
部屋に戻ってしばらくすると、激しい交わりの声が聞こえてきた。

翌朝10時、ドミトリーに移ろうと、スタッフに言われる部屋に行った。
昨夜の女が部屋いっぱいに荷物を広げていた。
もうひとつの方のドミトリーにして欲しいと言うと了承してもらえて、
結局ドミトリーの1人使いができた。
起きたついでに出かけてみることにした。
昨日から薄々気付いていたけど、お目当ての宿にたどり着けていないのだ。
私が行きたかったのは、「キリマンジャロ・バックパッカーズ・ホテル」
だったのだが、泊まっている宿の看板を見ると
「バックパッカーズ・パラダイス」とあるのだ。
タクシーで乗り付けたのでそこが一体どこなのかがわからなかった。
とりあえず歩いてみる。

そしたら、泊まっている宿からそう遠くない場所に
お目当てだった宿を発見した。
せっかくなので、中を見せてもらうとこちらも悪くない。
しかもちょっと安かった(12,000Tsr)。
まあ、今のホテルの方が断然きれいなのでよしとすることにした。
それから、朝ごはんを食べようと店を探し、
ホテルに併設された手頃なレストランをみつけ、入ろうとした。

すると、ブレスレット売りの男が声をかけてきた。
安いローカル食堂なら、あっちにあるよ、と。
そこから5分くらいのところにある店に案内してもらった。
フライドポテト入り卵焼き、野菜付き。
なかなか朝食にはいい感じだ。
支払いを済ませると、ブレスレット売りの男がやって来て、
ブレスレットを勧められたが、欲しいものがなかったので断った。

この卵焼きがいろんな出来事の始まりだった

この卵焼きがいろんな出来事の始まりだった

店を出てから気付く。
ボラれた。
13,000Tsr支払ってしまった。
あの料理なら、ゼロがひとつ多いじゃないか。
久しぶりの観光地でいきなりやられてしまった。
店に戻って、お金を支払った男を探してみたが、いなかった。
ブレスレット売りとグルだったのか。
どうやら、店のスタッフだと思っていた男は、全然関係ない男だったらしい。
店のおじさんに、それを話した。
すると、おじさんは周りの人といろいろ話し合い、立ち上がると、
ついて来い、と歩き出した。
思ってもみなかった展開にちょっと驚いてしまった。

おじさんは、店の周りにいる人にその男のことを聞き出してくれた。
隣に私の食べた料理を売る店があった。
ここで、買ったものを私の元に運んで来て高く売ったらしい。
おじさんは近くのバーに行くと、
私にここで待ってろと言い、どこかに行ってしまった。
思わぬ展開にドキドキしながら、おじさんを待った。
しばらくすると、おじさんはブレスレット売りの男を連れてきた。
おじさんはブレスレット売りの男を殴り、土下座させた。
ブレスレット売りの男は、「俺じゃない! 俺じゃない!」と言った。
確かにこいつではないけど、
私が高額のお金を払っているところを見ていたじゃないかと思った。
けれど彼が取ってないのは確かで、実行犯じゃない彼が殴られるのも
かわいそうなので、彼が犯人じゃないことを伝えた。
犯人は、青いTシャツを着た男なんだと。

すると、今度は違う男たちがその男を探して歩いてくれた。
そして、その男だと思われる母親を突き止めてくれた。
しかし、犯人はどこかに行ってしまっていると言う。
5時間くらいすれば戻って来るから、
その頃にお金を取り戻しに来ればいいと言われた。

「で、君はこれから何をするんだい?」と聞かれたので、
バスのチケットを買いに行くと言うと、任せとけと案内された。
3人の男に連れられ、バスターミナルまで行くと、
ダル・エス・サラーム行きのチケットを買った。
ゴタゴタしていたので、出発を明後日に伸ばすことにした。

町の中心クロックタワーで撮った3人の男

町の中心クロックタワーで撮った3人の男

「君はモシで何がしたいんだい?」と聞かれ、キリマンジャロ山を見たいのと、
後コーヒーも楽しもうと思っていると答えた。
すると、ナチュラルなコーヒーが飲める
ローカルの喫茶店を教えてくれるという。
なんか、またガイド料を請求されそうだったが、
とりあえず行ってみることにした。

キゾータというお店の前で

キゾータというお店の前で

スワヒリ・ストリートにある緑色の建物の「キゾータ」というお店。
中に入ると、コーヒーとカシャータというお菓子をいただいた。
キリマンジャロ・コーヒーはとても美味しかった。
カシャータもそのコーヒーにピッタリの味だ。

ママ・スワヒリたちとキリマンジャロコーヒー

ママ・スワヒリたちとキリマンジャロコーヒー

カシャータを作るママ・スワヒリ

カシャータを作るママ・スワヒリ

そして、宿に戻ろうと思ったら、今度は泉に連れて行ってくれると言う。
もうさすがにいいや、と思ったが、その泉は私の宿から近いらしく、
ぜひとも行った方がいいと言われ、それなら行ってみようかと思い、
連れて行ってもらうことにした。
モシ駅から伸びる線路を越える。
タンザン鉄道は、ダルエスサラームより北は運行していない。

タンザン鉄道

タンザン鉄道

線路を越えた先にある小さいジョロ村に行った。
彼らの住む村らしい。
小学校のときの先生だ、と男の1人がそこを歩いていたおばさんを指差した。

ジョロ村

ジョロ村

ジョロ村には湧き水があって、そこからはとてもきれいな水が溢れ出ていた。
そこで真っ黒になった足を洗った。
その先には、湧き水を汲むことができるスペースが作られており、
ジョロの住人たちがタンクを持って水を汲み取りに来ていた。

ジョロ村の湧き水。バナナの木もたくさん見かけた

ジョロ村の湧き水。バナナの木もたくさん見かけた

ジョロ村をしばらく歩くと、宿に戻った。
案の定、ガイド代を請求され、まあ悪くない日を過ごせたので、お礼を渡した。
朝食のときのボッタクリ男が帰る頃迎えに来ると言われたが、
もうそのことは忘れることにすると伝えた。

それから、1人でビールを飲みに出かけた。
小さい食堂で飲んでいると、いろんな人に話しかけられる。
それは、だいたいツアーの勧誘か土産物屋の売り込みだった。
昨日の酔っ払い女が店の前を通った。
私の横に座っていた男が呼び止め、話しかけた。
彼女は私の顔を見ると、バツの悪そうな顔をした。
彼女は、これから森の中に大きな木を見に行くんだ、と話した。
森の中にある大きな木は、
さっきの男たちも連れて行ってあげると言っていた場所だ。
なんだか、モシのツーリストプレイスっぷりに嫌気がさした。
やっぱり明日、ダル・エス・サラームに行こうと思った。

モシのヒンドゥー教寺院

モシのヒンドゥー教寺院

バスターミナルまで行き、チケットの日にちを変えてもらう。
それから、バスターミナルの建物の2階に上り、キリマンジャロを眺めた。
頂上の辺りに雲がかかってしまっている。
地元の人曰く、夕方5時頃と、朝の5時頃には、
雲が消え、きれいにキリマンジャロ山が見えるそうな。
まだそれには早かったので、
近くのレストランでちょっと早めの晩ごはんにした。
キリマンジャロ・ビールも飲んだ。

キリマンジャロビール

キリマンジャロビール

もっときれいにキリマンジャロ山が見えるところはないかと探すが、
どこも微妙だった。
結局、バスターミナルの建物2階に戻った。
5時半、雲は消えていなかった。
キリマンジャロを見るためにわざわざこの街に来たものの、
キリマンジャロは眺めるのに魅力的な山ではなかった。
キリマンジャロは登る山なんだ。
そう悟ると、明日の出発に備え、早く宿に戻った。

バスターミナル2階から見たキリマンジャロ

バスターミナル2階から見たキリマンジャロ

昨日はなぜか全然繋がらなかったWi-Fiも今日は調子がいい。
1週間ぶりのネット。
日本では洪水や地震などが起きているらしかった。

モシの宿:Backpackers Paradise

【住所】Ghala Road, Mosh
【料金】35,000Tsr(シングル、トイレ・シャワー付)15,000Tsr(4人ドミトリー)
【設備】Wi-fi、キッチン
【評価】★★★☆☆

移動:ムワンザ→モシ

バスで18時間(故障あり)。830km。35,000Tsr。
ムワンザ→モシ

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