ほぼ定刻通りの7時半発に発車したバス。
ダル・エス・サラームに向うバスの中で1番早いバスを選んだ。
私は、ダル・エス・サラームで強盗に遭ったという人を2人も知っている。
しかも、1人は女の子で首絞め強盗だったそうだ。
もしかしたら、ナイロビより危ないのかもしれないと思っていた。
なので、なるべく早くに着いておきたかったのだ。
ダル・エス・サラームの宿には、
友達がいて合流する予定なので、まだ安心だ。
窓の外の景色は、だんだん緑が多くなり、それまでの景色にはなかった
背の高いヤシの木があったり、緑に覆われた山があったりした。
昼には休憩を挟み、テイクアウトで
チキンとフライドポテトのセットを買ってバスの中で食べた。
バスの温度計を見ると、33度。
海岸地帯に近づくにつれ、温度が上がっていった。
18時すぎ、夜の闇が迫るダル・エス・サラームのバスターミナルに到着した。
友だちが、宿の周辺は夜は出歩くなと、
宿のスタッフに言われていると言っていたのを思い出す。
急がねば。
到着したバスターミナルが、街のどの辺にあるかわからなかった。
とりあえず、バスターミナルを出てみる。
街に向うダラダラがあるようだった。
しかし、治安の悪い街中でダラダラを降りた後が心配だったので、
結局、バジャッジに乗ることにした。
街までは、けっこう遠かった。
とにかく、安全に宿に着くまでは運転手に付き合ってもらうしかない。
街中に入る頃には、すっかり暗くなっていたので、改めて気を引き締めた。
運転手も場所がわからないらしく、人に道を聞きながら、宿を探した。
割とすぐにみつかった。
ロビーに友だちがいることを確認し、バジャッジの運転手と別れた(7,000Tsr)。
再会したのは、カイロのベニスホテルで隣のベッドだったユリちゃん。
ユリちゃんの家の最寄駅は、私の家の最寄駅の隣。
家が近いという縁もあった。
さっそく部屋に案内してもらって、荷物を置くと、晩ごはんに出かけた。
宿の近くの屋台で、焼きそばを食べた。
これからの旅の話、ここまでの旅の話などで盛り上がった。
宿に戻ると、ネットでいろいろ調べながら今後の予定をしっかりと立てた。
翌朝7時半、ホテルの1階の食堂に朝食を食べに行く。
それから、荷物をまとめてしたくすると、出かけた。
タンザニアは、10年前に社会主義政権の終焉を遂げ、経済の自由化とともに
たくさんの人が経済の中心地ダル・エス・サラームに流入した。
それが、治安の悪化を招いたらしい。
今日のノルマは3つ。
1つ目は、ATMでマラウイに抜けるまでの資金を降ろすこと。
2つ目は、金曜日に出るタンザン鉄道ムベヤ行きのチケットを買うこと。
3つ目は、ザンジバル島行きのフェリーに乗って、
さっさとダル・エス・サラームを抜けること。
宿を出ると、誰に呼び止められても振り向かず、
とにかく足早に銀行に向かった。
ユリちゃんがタンザニア・シリングをドルへ両替したいとのことで、
窓口のある銀行を目指す。
ダル・エス・サラームの街は、高層ビルもありなかなか近代的な街並みだった。
ちなみに、ダル・エス・サラームは建国当初首都だったが、今は首都ではない。
法律上の首都はドドマという街だ。
迷いながらも銀行に到着し、無事目的を達成した。
次は、タンザニア鉄道のチケットを買いにダル・エス・サラーム駅を目指す。
ダラダラに乗って行こうと、現地の人に行き方を聞くと、
タクシーで行きなさいと言われた。
ダラダラの中では何が起きるかわからないというのが、現地の人の意見。
どれだけ凶悪都市なんだ、この街は……。
それでも用心すれば大丈夫との判断で、ダラダラに乗ることにした。
ムナジ・モジャ・バスターミナルから、ダラダラに乗った。
それほど、不安な要素もなく、
係の人もちゃんと駅に着いたときに教えてくれ、問題なく到着。
駅構内は人が少なく、スムーズにチケットオフィスまで
たどり着くことができた。
ムベヤ行きの列車は、火曜日と金曜日の週に2便。
4日後の便のチケットを買った。
それからまたダラダラに乗って、宿に戻った。
チェックアウトすると、荷物を持って港に急いだ。
モロゴロ・ロードは、大きな家電店や立派なホテルもある。
一見すると、そんなに凶悪都市には見えなかったが、
ここは気を緩めたくはなかった。
そのまま南へ歩くと、ダル・エス・サラーム湾に出た。
そして、フェリーポートへ。
ザンジバル島に向うフェリーを扱う会社は何社かあり、
どこの会社も外国人は少し高め。
行きは、1日1便12時半発のFlying Horse社のフェリーで行こうと決めていた。
Flying Horse社のフェリーは、1時間半でザンジバル島まで行ける高速船に比べ、
3時間半と少々時間はかかるが、高速船が35ドルなのに対し、20ドルと安い。
フェリー代はタンザニア・シリングでの支払いも可能だが
レートが悪かったので、ドルでの支払いにした。
チケットを買い、荷物をX線に通して、フェリーポートの中に入った。
そして、乗船。
外国人は、VIP席に通された。
凶悪都市ダルエスサラームを無事通過できたことに、ひとまず安心した。
12時半出発し、エアコンが効きすぎて寒いフェリーで、
ザンジバル島に向かった。
【住所】Band Street, Dar es Salaam
【料金】38,000Tsr(ツイン、トイレ・シャワー・ファン付)
【設備】Wi-fi、朝食
【評価】★★★★☆
バスで10時間半。540km。28,000Tsr。