ワゴン車の後ろには4人掛けのシートが4列並んだ。
私の隣のおばさんが丸々と太っているせいか、私の座った列は3人掛けだった。
そのせいかはわからないが、荷物料を取られた。
地元の人も同じように徴収されていた。
ウガンダは、本当に緑がきれいだ。
太陽の光に照らされるとその鮮やかさは一層増す。
チャーチル元首相に、「アフリカの真珠」「緑の国ウガンダ」と
評されたほど、ウガンダの自然は美しい。
しかし、町は意外にもなかなかの都会だった。
4時間ほどでカンパラに到着。
ものすごい数のマタツが並ぶタクシーパークに到着した。
宿までマタツで行くか、ボダボダで行くか迷ったが、
早くたどり着きたくて、ボダボダに乗ることにした。
旅人に優しいムスリムの男に、
メンゴ方面のバックパーカーズ・ホステルに行ってほしいと頼んだ。
値段は交渉が必要かと思われたが、
最初から妥当な値段を言われた(4,000Usr)。
かなりの渋滞で、カンパラの中心を出るまでは、
歩いた方が早いんじゃないかと思えるほどだった。
無事に宿に到着すると、チェックインを済ませた。
バーが併設された外国人に人気のホステル。
メキシコシティで同じ部屋だったチグサちゃんの勧めで、
ここに泊まることにした。
中心には安宿街もあるのだが、そこでチグサちゃんは強盗にあったそう。
危険はなるべく回避したいので、ここを選んだ。
ちょっと早いけど、晩ごはんを食べようと出かけた。
門番の男にどこか食べられるところはないかと聞くと、
坂を降りた先にあるメンゴ・マーケットを教えてくれた。
メンゴ・マーケットに入ると食堂を探す。
一角で女性ばかりが集まる食堂スペースのようなところをみつけた。
閉店間際な雰囲気。
手招きをした女性のところで、牛肉の煮込みを食べた。
安かったけど、ごはんは冷たくカチカチ、煮込みも美味しくなかった。
これなら、入り口付近の炭火焼のチキンを食べればよかった。
無念。
宿に戻る途中、藁でできたなかなか素敵なバーをみつけて、
ナイル・スペシャルという名前のビールを飲んだ。
夜、久しぶりにネットに繋ぎ、無駄に夜遅くまでスマホをいじってしまった。
宿の朝食は、洋風のブュッフェ形式だった。
少しゆっくりして、宿の人に
キガリ行きのバスのチケットがどこで買えるか聞き、宿を出た。
幹線道路、宿を出た右手にマタツを待つ人が集まっていたので、
そこで中心に向かうマタツに乗った。
「バクリ・ジャグア」と言えばいいと教えてもらった通りに、
マタツの係りに伝えた。
すると、中心との中間あたりで、降ろしてくれた。
教えてもらった通り、道を挟んで向かいにJAGUAR社はあった。
明後日の朝出発のキガリ行きのチケットを買う。
7時発のは5列シートで40,000Usr、
9時発のは4列シートで45,000Usrと言われた。
4列シートのバスで行きたかったので、9時発のバスのチケットを買った。
ジャグア・コーチ社を出てよく見ると、
向かいに同じくキガリ行きのバス会社があった。
どちらがよかったのかはわからないが、まあいい。
再び、マタツに乗ると、中心に向かった。
マタツはカンパラの中心南西のナキブーボ・プレイスという道に到着した。
そのまま周辺を歩く。
店が密集したビルが並び、とにかく人が多く、少し歩くだけでも疲れた。
が、小物入れにぴったりのかわいいポーチを買ったら、
テンションが上がって、またしばらく歩けた。
タクシーパークの近くのビルの3階にあったレストランで、ひと息。
地図を見ると、ヒンドゥー寺院があるようだったので、行ってみることにした。
ちょっとこぎれいなショッピングモールの奥に、ヒンドゥー寺院はあった。
インド南部に多く見られる細かい彫刻の施された四角錐の塔の形をした寺院。
アフリカで見るヒンドゥー寺院はなんだか違和感を感じる。
ウガンダもまたウガンダ鉄道建設の際に英領インド人が投入され、
インド系の移民が定着している。
中に入ってみると、インド系移民たちが数人集まっていた。
ガネーシャに挟まれる形で祭壇がある。
ヒンドゥー教徒の女性が熱心にお参りをしていた。
そのまま、今度はナカセロ・マーケットという市場に行った。
ここでもやはりバナナがたくさん売られていた。
坂道を少し上がると雰囲気が変わる。
中央郵便局のあるカンパラ・ロードは、ビルがあり、
心地の良さそうなネットのできるカフェがあり、
仕事でやって来ているのであろう外国人を数人見かけた。
この国も外国人慣れしているので、無為にジロジロ見られることはない。
ちょうどお昼頃だったので、カンパラ・ロード沿いの
中華レストランの横にあった食堂に入った。
メニューは、さすがにちょっと高かった。
ピラウとパッションフルーツのジュースを注文。
ウガンダの食堂では、フルーツ果汁のジュースがほぼどこにでもある。
不足しがちなビタミンを補うのにちょうどいい。
食堂を出る頃、雨がパラパラと降り始めた。
どこかの店で雨宿りしようとも思ったが、小雨だったのでそのあま歩き続ける。
国会議事堂を通り、カンパラ駅へ。
緑の建物の駅舎は、閑散としていた。
ここは貨物専用の駅だからだろう。
その前には、ピンク色の花の咲く木が植えられていた。
そこから、また郵便局を通って、タクシーパークの方に向かった。
途中迷って、パイオニア・モールという
ショッピングセンターに入ってしまった。
雨がけっこう降ってきたので、
タクシーパークのレストランでティータイムに。
その周辺では、男性向けの靴磨き屋ではなく、
女性向けの足のお手入れとペディキュアまで塗ってくれる店がいっぱいあった。
そして、メンゴ行きのマタツに乗ってホテルに戻った。
昨日もそうだったが、蚊帳をしているのになぜかいっぱい刺されて、
痒くてよく眠れない。
朝早くに目が覚め、1番乗りで朝食にありついた。
コーヒーを飲みながらゆっくりする。
明日の分も含めて、3日分の宿代を30ドル支払った。
宿を出たところで、マタツに乗り中心に向かった。
昨日と違う場所に降ろされた。
どうやらニュータクシーパークの前にいるらしい。
ちょうどよかった。
カスビに行くマタツがここから出ているはずだ。
ニュータクシーパーク内を、カスビ行きのマタツを探して歩いた。
たらい回しにされたが、新聞売りの男が
カスビ行きのマタツまで連れて行ってくれた。
カスビ行きのバスで乗客がいっぱいになるのを待っていると、
外にいた男がどこに行くのか聞いてきた。
カスビのブガンダ歴代国王の墓を見に行くんだと言うと、
それならモナコに行った方がいいという。
カスビよりモナコの方が入り口に近いんだと教えてくれた。
自分もモナコに行くんだと、マタツを案内してくれ、乗り換えた。
オールドカンパラを抜け、しばらくすると未舗装路になった。
ものすごく凸凹した赤土の道を丘の上へ上って行く。
モナコは10分ほどで到着した。
モナコで降りる。
のんびりした場所、いい感じのところだった。
男は案内してくれ、坂を上った先の
ブガンダ歴代国王の墓まで連れて行ってくれた。
中まで案内しようとしていたので、そこから先は1人で大丈夫だと別れた。
復元されたブガンダ歴代国王の墓の建物が入り口だ。
そこを抜けるとチケットオフィスがある。
そこでチケットを買った(10,000Usr)。
そこからは、ガイドのおじさんに案内してもらいながら見て回った。
入り口のブガンダ歴代国王の墓の中に入り、中の作りについて教えてもらう。
初代のものの復元らしい。
4代目になると鉄筋を使って作られている。
その先には、パネル展示がありガイドのおじさんに
ブガンダ王国について解説してもらった。
ブガンダ歴代国王の墓は、ブガンダ王国の初代カバカ・ムテサ1世から、
エドワード・ムテサ2世までの4代が祀られている。
本物は2010年に消失しまった。
「カスビのブガンダ歴代国王の墓」として世界遺産にも登録されている。
ブガンダ王国はイギリスの植民地になった後、
独立しエドワード・ムテサ2世を大統領とする共和国になった。
その奥には消失したブガンダ国王の墓の骨組みだけが残っていた。
初代カバカのたくさんの妻たちが住んだ家や、
さらに奥には歴史に残るウガンダ人の墓場があった。
そこからは、向かいの丘にあるナミレンベ教会が見えた。
すべて見て回ると、ガイドのおじさんにマタツを停めてもらい、
施設前から乗車した。
確かにカスビの町はモナコより少し遠かった。
カスビは、商店が並びにぎやかだった。
そこで乗客の半分以上が降り、また新たに客を集めるため、しばらく停車。
ここで昼ごはんを食べて行こうと思いつき、マタツを降りた。
坂を下ったところにレストランを発見し、そこに入った。
ウガンダの主食マトケは、バナナのペースト。
それに、縦繊維の芋であるキャッサバと、ウガリと米が
ワンプレートに載っていて、スープのようなビーフシチューと一緒に食べる。
ローカルフードだ。
それに、ベル・ビールも飲んだ。
そのまままた、マタツに乗ってカンパラの中心に戻った。
カンパラ南西、ニュータクシーパークとタクシーパークの辺りは、
相変わらずすごい人だった。
歩いているだけでものすごく疲れる。
何度もその前を通っているハム・ショッピング・グランドは
きれいな建物だが、商店の密集度はすごい。
その東隣には、トタンを組み合わせた建物がある。
それがオウィノ・マーケット。
2つの建物を比較するとよく、こんなに近くに共存できるなと思う。
オウィノ・マーケットの中を少し歩いてみると、
さらに所狭しと店が密集していた。
ここを歩くのは本当に疲れた。
タクシーパークに行って、メンゴ行きのマタツに乗る。
初日に行ったバーの前で降ろしてもらうと、ビールを飲んだ。
今度はクラブ・ビール。
昼のビールと合わせて、500mlを2本、いい感じに酔っ払った。
今のこの日常が後に、ものすごく懐かしい光景になって
時々頭の中に浮かぶんだろうなと想像した。
しばらくゆっくりして、宿に戻った。
いろいろウガンダの歴史について調べていると、昔観た映画を思い出した。
「ラストキング・オブ・スコットランド」という映画。
1970年代にウガンダで独裁政治を敷いたイディ・アミンが、
大統領に就いてから独裁者へとなるまでを、架空の人物である主治医となった
若きスコットランド人の目を通して描いた作品だ。
それから明日の準備。
ウガンダ最後の夜だ。
【住所】3 km from the city centre on the Natete/Wakiliga Rd, Kampala
【料金】10$(ドミトリー)
【設備】Wi-fi、朝食付き
【評価】★★★★☆
マタツで4時間。220km。15,000Usr(+荷物代2,000Usr)。