朝7時、エル・チャルテンの宿の前からバスに乗車。
ウトウトしながら、3時間。
10時にはエル・カラファテのバスターミナルに到着した。
エル・チャルテンで出会ったクミちゃんと一緒に、
友達に教えてもらった宿に向かった。
街の北にある割りときれいなホステル。
チェックインまで時間がありそうだったので、出掛けることにした。
まずは、カフェテリアで腹ごしらえ。
チョリソーをパンに挟んだチョリパンを食べた。
それから、街の中心のリベルタドール大通りにあるツアー会社に向かった。
バスターミナルで教えてもらった「Hielo & Aventura」というツアー会社。
ペリト・モレノ氷河へのミニトレッキング・ツアーについて聞くためだ。
パタゴニアでは、氷河を見ることができる。
太平洋の湿った風がアンデスの山々にぶつかって大量の雪を降らせ、
それが氷河となるのだ。
パタゴニアの氷河は、南極、グリーンランドに次ぐ氷河面積があり、
特徴は動きが活発であること。
この氷河と、周辺のフィッツロイ等も含まれる山々や湖は、
ロス・グラシアレス国立公園内にあり、世界遺産に登録されている。
園内にいくつもある氷河の中で、
バスツアーとトレッキングツアーに行けるのが、ペリト・モレノ氷河だ。
ペリト・モレノ氷河へのツアーは人気が高く、
何日も待たなくてはいけないという話を聞いていた。
この後できれば行きたい南極行きフェリーもシーズンの終わりが迫っている。
一刻も早くウシュアイアに行っておきたいと思っていたので、
人気の高いツアーに待たされるようなら、
諦めて、手軽に行けるバスツアーだけにしようと思っていた。
聞いてみると、明日のミニトレッキングのツアーに空きがあるというので、
申し込んだ(1,100$)。
氷河の上を長時間歩く、ビッグ・アイスのツアーはもっと人気があって
待ち時間も長いと聞いていたけど、やはりそうらしかった。
(ちなみに、ツアー会社のある一角には、土産屋やカフェなどが集まっており、
闇両替をしてくれる店もその中にある)。
無事、ツアーのブッキングを終えると、街を歩いてみた。
クミちゃんが、エル・カラファテの日本人宿「FUJI旅館」に
行ってみたいと言うので、つき合うことにした。
リベルタドール大通りを西に向かって歩く。
太陽が出ていれば寒くはないようだ。
公園でコーラを飲んで一服。
そこから南に向かって坂を上ると、
アルヘンティーノ湖の一部である二メス湖が見えた。
街の外れはのどか。
かわいい木製の家が並び、庭先には必ず番犬がいる。
FUJI旅館は、少しわかりずらい場所にあった。
日本人男性とその妻の韓国人女性が営むFUJI旅館は、
日本人だけでなく韓国人も集まる宿。
ただ、今はなぜか韓国人ばかりで日本人はいないと聞いていたので
他の宿に行くことにしたのだ。
クミちゃんの記念撮影に付き合うと、バスターミナルに向かった。
ウシュアイア行きのバスのチケットも無事に購入。
途中、会ったことのある日本人に出くわし、
街のどの店も祝日のためやっていないと嘆いていた。
一旦チェックインしに宿に戻った。
12人のドミトリーも、始めは私たち2人だけだった。
シャワーを浴びた後、晩ごはんの買い出しに出掛けると、
やはりほとんどのスーパーは閉まっていて、
買い物することができなかったので、ブエノス・アイレスで買っておいた
レトルトのパスタソースで晩ごはんにすることにした。
翌朝11時、宿の前でツアー会社が来るのを待つ。
迎えに来たバスに乗り込むと出発。
エル・カラファテより西のマガジャネス半島に向い、リコ水道の南を走る。
やがて見えてくる、氷河の一部。
ペリト・モレノ氷河展望台に到着したのは、13時頃。
ここでの滞在時間は、2時間。
バスを降りると、さっそく展望台に向かって歩いた。
向かっている途中、ものすごい轟音が聞こえた。
きっと大きな崩落が起きていたに違いない。
しかし、ちょうど木々が邪魔して氷河が見えない場所にいた。
展望台の遊歩道を歩く。
想像以上に広範囲で氷河を見ることができるようだ。
所々に、ベンチがあって休みながら見ることができる。
ちょうどお昼時だったので、私たちは氷河がきれいに見える絶好の
ポイントを探し、持って来たエンパナーダを食べた。
食べている間に、目の前で崩落が起きた。
氷河全体からすると小さな欠片だけど、
とても大きな音をたてて湖の中に沈んでいった。
ペリト・モレノ氷河は、全長約35km、表面積は195㎢、高さは60mある。
氷河は、複数年にわたって氷や雪が堆積し、
万年雪が圧縮されることでできるものだ。
この目の前にある氷河が、幾年もの時を積み重ねてできたのかと思うと、
自然の偉大さを感じざるを得ない。
結局、展望台にいる間、何度も崩落を見たものの、
写真に収めることはできなかった。
2時間の展望台散策が終わると、バスに乗って移動した。
展望台からモレノ港まではそう遠くはない。
モレノ港に到着すると、フェリーに乗り込んだ。
甲板に出ると、冷たい風が吹いていた。
蒼い空、蒼い山、蒼い氷河と蒼い湖。
対岸に渡ると、ツアー会社のキャンプ地で荷物を小さくする。
そして、ガイドさんについて、氷河に向かって歩いた。
途中、ペリト・モレノ氷河について説明を受け、
そのまま氷河のすぐ側まで歩いた。
そこには、設備小屋のようなものがあって、何人かのスタッフがいる。
そこで、アイゼンを付けてもらい、手袋を貸してもらった。
そして、ついに、氷河に入って行く。
一旦、全員が氷河の上までたどり着くと、
ガイドさんが、氷河の歩き方を丁寧に教えてくれる。
普通の山と同じように歩いてはいけないようだ。
急な斜面を上るときも降りるときも、足を垂直に降ろさなくては行けない。
決して足の角度を変えてはいけない。
足を曲げて重心を下に持ってくることも大切だ。
ガイドさんに教えてもらった通りに歩くと、急な斜面も歩くことができた。
氷河は雪山とは違って、固い。
クラッシュした氷を敷き詰めているようだ。
氷河の真ん中の方まで歩くと、一面蒼の世界が広がった。
氷河が青く見えるのは、氷中に含まれる空気の気泡が少なく
透明度が高いためだ。
透明度の高い氷を太陽の光が透過すると、赤っぽい光の多くを吸収してしまい、
波長の短い青い光だけを反射させる。
なので、氷河の氷はグレシャーブルーと呼ばれる青い色をしている。
黒い筋は、周辺の岩や底部が削られ、長い年月をかけ先端で堆積したもの。
氷河の景色は、雪山と似て非なるものだ。
1時間半のミニトレッキングの後はお待ちかねの、ウィスキーの時間だ。
氷河の上で、氷河の氷で割ったウィスキーを飲む。
なんとも乙な酒の場だ。
私たちのグループが最後のグループだったらしく、急いで船着き場に戻った。
帰りの船では、景色も水に爆睡した。
バスでももちろん爆睡。
翌日は、ゆっくりと疲れを癒し、その夜、空けて翌々日の2時には宿を出た。
【住所】25 de Mayo 311 – Cuerpo 1, 9405 El Calafate, Argentina
【料金】120$
【設備】Wi-fi、キッチン
【評価】★★☆☆☆
バス(Chalten Travel社)で3時間半。210km。375$。