カサネの町から、国境の町ンゴマの間は
チョべ国立公園内を通らなくてはいけない。
ンゴマ行きのバスを乗り過ごした私たちは、
タクシーでカサネからチョべ国立公園のゲートに向かった(20Bwp)。
ンゴマまでタクシーで行くと高くなるから、このゲートで
ヒッチハイクをした方がいいとアドバイスを受けたのだ。
(タクシーで行くなら400Bwp、ヒッチハイクなら20Bwpが相場とのこと)。
ゲートの前では同じくヒッチハイクをしようとする人が、
何人もそこで待っていた。
そして、私たちもまたナミビアの国境に向かう車を待つ。
ゲートの脇の木陰に座っていると、
小さな虫が顔の周辺にまとわりついてきた。
その虫は、追い払っても追い払ってもずっと顔の周りにまとわりつく、
ものすごく嫌な虫だった。
しばらくすると、どんどんヒッチハイクの待ち人が増えた。
なのに、ナミビアに向かう車はほとんど来ない。
それでも1時間も待たないうちに、ナミビア行きのトラックをみつけ、
乗せてもらうことになった。
大きなトラックは車高が高く、手すりの付いた階段を上って、
車内に入った。
奥には睡眠を取るスペースもある。
トラックの運転手はナミビア人で、1週間かけて
ジンバブエに荷物を運び、家に帰る途中なんだそう。
トラックが出発し、チョべ国立公園内に入ると、象の群れに出くわした。
運転手は気さくな人で、象がいるところはゆっくりと走ってくれた。
象の群れを何度かみつけ、シマウマも見ることができた。
昨日のボートサファリよりも、動物に近かった。
しばらくすると国立公園を抜け、そこからまた少し走ると、
国境に到着した。
周囲にバオバブの木のあるのどかなボツワナ側のイミグレーション。
問題なく出国スタンプをもらった。
それからまたトラックに乗ると、
ナミビア側のイミグレーションに向かった。
ここの国境は両国間のイミグレーションが離れていた。
ナミビア側のイミグレーションでは、熱のチェックを受け、
入国カードを書いてから、窓口に行った。
そして、無事入国スタンプをもらった。
目的地はナミビア北部のオプヲという町だけど、
今日はルンドゥで1泊しようと思っていた。
運転手もまた今日はルンドゥで1泊するつもりだと言っていたので、
私たたはルンドゥまで乗せてもらえないか交渉した。
OKしてもらえた。
またトラックに乗って走りだす。
そこからは、カプリビ回廊に入る。
カプリビ回廊は、ナミビアの東部に
450kmほど細長く飛び出した領土のこと。
ナミビアとボツワナが国境線をめぐる長年の争いをした場所でもある。
しばらくすると、カプリビ回廊で1番大きな町カティマ・ムリロに入った。
なかなか大きな町で大きなショッピングセンターがあった。
世界の国々187国を対象にした、
人口密度ランキングで、ナミビアはなんと186位。
広い国土の割にゴミゴミした感じがない。
経済的には、ダイアモンドやウランなどの資源があるため、潤っている。
インフラはしっかり整備されており、治安も良いらしい。
これアメリカだよ、と言われても納得できそうな風景だった。
カティマ・ムリロの郊外にあるガソリンスタンドで、
運転手の用事でしばらく停車した。
運転手は、トイレ代の2ドルも貸してくれた。
運転手が戻るまで、暑い車内で汗をびっしょりかいて待った。
そして、再び出発。
ナミビアの地方もまた、土壁と藁のとんがった屋根の家が並ぶ。
他のアフリカ各地の風景とそれほど変わらないようにも思えたが、
そこにはソーラーパネルがあり、車があった。
道は単調で時々眠くなったが、
乗せてもらっている身分で眠るわけにはいかない。
トラックの運転手もなかなか大変な仕事だ。
途中、動物保護区に入る看板が見えた。
動物注意の標識に、象やインパラなどのシルエットが描かれるようになった。
そしたら、やっぱりいた。
象の群れ。
いくつも象の群れに出くわした。
インパラも見た。
夕陽が木々の奥に沈んで行く頃、
雨が降りアスファルトはキラキラと光った。
動物保護区を抜けた頃、検問があり、そこで靴底の消毒もした。
ナミビアの幹線道路には、靴底の消毒を行う場所があちこちにある。
その先を走っていると、運転手が
ここは危険な場所なんだと少し緊張した様子だった。
そこはアンゴラに近い場所。
外務省も日中の移動を推奨している場所だ。
しばらく走ると町の明かりが見えてきた。
22時半頃、ルンドゥの町に到着。
「WINPY」というファーストフード店のあるガソリンスタンドの前。
ここはバスの発着所にもなっている場所。
運転手は、タクシーを停めてくれてタクシーに乗るまで付き合ってくれた。
本当にありがたい限りである。
タクシーに乗ってまず向かうは、ATM。
まだナミビアドルを持っていなかったのだ。
幹線道路沿いにショッピングモールがたくさんあり、
その一角にあるATMにて、ナミビアドルをおろした。
それから、お目当ての宿に行ってもらった。
タクシー代は交渉せずとも適正価格だった(20N$)。
無事に宿に到着すると、水を持っていなかったので買いに出た。
近くにある店に入ると、どうやらそこはバーだった。
仕方ないので、ビールを飲むことにした。
バーには、スロットやジュークボックスが置かれていて、
カウンターには鉄格子越しにスタッフが物を売る。
バーのスタッフのお姉さんとお父さんが飲みに来ていて、
クールなカップルは音楽に合わせて踊っていた。
楽しくなって、地元の人にもビールを振る舞い、大瓶3本も飲んでしまった。
宿は断水していたので、シャワーは諦めた。
ユリちゃんは、宿のスタッフが用意した桶の水を浴びていた。
ユリちゃんは、エチオピアのエルタ・アレ火山の上でも、人が寝静まるのを
待って、小屋の影で裸になってペットボトルの水を浴びたくらい、
シャワーを浴びなければ気が済まないタイプの女の子だ。
窓のない部屋が暗いせいか、よく沈むダブルベッドで、
ユリちゃんと2人昼まで寝た。
外に出ると気持ちのいい青空が見えた。
したくをすると、出かけた。
ルンドゥの町は、道が白い砂地。
なかなか歩きずらかった。
幹線道路に出ると、ショッピングモールに向かった。
スーパーで買い物をした後、ケンタキッキーでブランチにした。
それから歩いて、昨日トラックを降りたガソリンスタンドに向かった。
陽が昇って暑くなった中、2kmくらい歩いてたどり着いた。
そこに、インターケープ社のオフィスがあったので行ってみた。
インターケープ社は南アフリカのバス会社。
ナミビアの首都ウィントフックから南アフリカの
ケープタウンまでのチケットを早割で買うことができた。
(なんとネットで早めに買うと安いと言われていたが、ネットには
なかったスリーパーではない安いチケットを買うことができた)。
それから、コンビ(ミニバスのこと)乗り場に行った。
オプヲに行くコンビについて聞くと、
オシャカティで乗り換えなくてはいけないと教えてくれた。
満車になったら発車する方式で、
チケットなどはないみたいだったので、明日ここに来るしかない。
それから、シェアタクシーに乗って、
宿から最寄りのショッピングモールに戻った(10N$)。
そこからその先、もう1つ大きなショッピングモールが
あるみたいなので、行ってみた。
そこには、大型スーパーと商店、
それから路上に小さい店を出す人たちがいた。
その辺を歩き回って、スーパーに寄って宿に戻った。
宿に戻ると、水道が復旧していたので、シャワーを浴びた。
それから、買ってきたビールを飲む。
パンテーンのシャンプーを買うことができたので、
黒人用のシャンプーは卒業することにした。
その日の夜はゆっくりし、翌朝早めに起きて、オプヲに向けて出発した。
世界一美しい裸族、ヒンバ族に会いに行くために。
【住所】Karfer St, PO Box 1775, Rundu
【料金】220N$(ダブル、トイレ・水シャワー共同)
【設備】Wi-fi、タオル
【評価】★★★★☆
1. チョベ国立公園のゲート前までタクシー。約5km。20Bwp。
2. チョベ国立公園のゲート〜ルンドゥ。ヒッチハイク。約630km。50Bwp。
(カサネ→ンゴマのミニバスは朝にあり、ンゴマ→カティマムリロのミニバスもあり。カティマムリロ→ルンドゥのコンボもあり。時間さえ合わせれば、ヒッチハイクでなくても行ける)