朝宿の人に、スワコップムントに行くのなら、
オシャカティを経由すると遠回りになると教えてもらった。
まずは、オチワロンゴに向かうことにした。
しかし、バスの発着場所に向かう途中、
スワコップムントに直通で向かうミニバスをみつけたので、
それで行くことにした。
8時頃出発。
背の低い木々が並ぶ荒野の中の1本道。
時々、動物注意の看板に象の注意警告も現れた。
単調な景色にウトウトするが、何度も靴裏消毒の検問で起こされる。
13時半、オチワロンゴのガソリンスタンドで30分休憩。
オチワロンゴの町は、これまで行った町の中で1番大きくきれいだった。
ショッピングモールへ向かった。
SPARに入ると、ここに住んでいるらしい白人の姿もけっこう見かけた。
そこでサンドイッチを買うと、車の近くで食べた。
この町にやって来ているヒンバ族は、この町でもヒンバ族の格好のままだった。
再び出発すると、また単調な道。
しかし、遠くに山が見えだした。
15時半オマルルの町を通りすぎ、40分後カリビブを通りすぎた。
ナミビアは、ほとんど町がない。
大西洋に向かう途中、なだらかな山々が左手に見えた。
まるで月世界のようだということから、
ムーン・ランドスケープと呼ばれる場所だ。
それからしばらく走るとスワコップムントの町に入った。
だだっ広く閑散とした町。
バスの発着場になっているガソリンスタンドに着いた。
オプウォと違って寒かった。
フリースを羽織った。
駐車場にいたタクシーに乗り換えてお目当ての宿に行く。
宿のドミトリーが185N$(=約1,600)とかなり物価が高くなった。
ユリちゃんとヒデくんは、他に安い宿がないか探しに行くと言って出て行った。
私は宿で待つことにした。
宿のバーで飲んでいた南アフリカに住むという男が、話しかけてきた。
彼はカティマ・ムリロ出身で、ガイドをしているそうだ。
「アフリカといえば動物がいてこそだ。死ぬ場所は、カプリビ回廊がいいな」。
アフリカ人でもそういうこと思うんだなとぼんやり思った。
彼は、安宿ならこの町で1番安い宿に自分も泊まっているから
案内してくれると言ったが、
ユリちゃんとヒデくんが帰って来ると、結局この宿に泊まることになった。
後から知ったことだけど、自称ガイドの男は、実は盗人で、
その夜レセプションに置いてあった宿泊客のバッグが盗んで消えたそう。
翌朝早起きして、みんなで出かけた。
空には分厚い雲がかかっていて、広々として閑散とした町を、
より一層寒々しい雰囲気に変えていた。
ヨーロッパじゃないヨーロッパの雰囲気をした町。
なんとなく、気候共に初冬のパタゴニアに似ている。
向かうは、観光案内所。
ナミブ砂漠に行くツアーについて聞くためだ。
町の中心の方へ行くと、もうそこはアフリカとは思えない町並みだった。
町はドイツ植民地時代の雰囲気。
白人も多い。
地図を読み間違えて少し迷ってしまったが、人に道を聞きながら、
どうにか観光案内所にたどり着いた。
そして、聞いてみる。
見たいのはソススフレイのアプリコットカラーの砂漠。
しかし、観光案内所ではツアーのことはわからなかった。
メインストリートのサム・ニュヨマ通り沿い斜向いの
旅行会社を案内してもらった。
しかし、そこでもソススフレイのツアーは扱っていないとのこと。
同じ通りにある別の会社を教えてもらった。
そこでは、扱っていることは扱っているのだけど、日程的合わない上に、
ものすごく高かった(2泊3日5,200N$=約47,000円)。
とりあえず、チェックアウトの時間だったので、宿に戻ることにした。
チェックアウトした後、ロビーでしばらく考えた。
さてこれからどうしようか。
ウィントフックに行ってから、ソススフレイのツアーを探すか、
それともワルビス・ベイに行って、フラミンゴを見に行き、
ナミブ砂漠は諦めるか。
それとも、それとも……。
ナミブ砂漠へのツアーについてレセプションに聞聞いてみた。
すると、近くの砂漠に行くツアーがあってそれなら明日にでも行けるとのこと。
ソススフレイじゃなくてもいいかと思えてきた。
いろんなツアーの中から、ナミブ砂漠に住む生物を見ることができる
ツアーを選び申し込んだ。
もう1泊することになったので、また部屋に入った。
ユリちゃんは、気候の変化で風邪を引いてしまったらしく、寝込んだ。
私は、そのままスワコプムントの町を歩いてみることにした。
宿を出て、サム・ニュヨマ通りまで行くと、海の方に向かって歩いた。
後で立ち寄ろうと、オシャレなカフェをチェック。
ちょうど小学生の下校時間と重なったらしく、
きれいな制服を着た元気な子どもたちが走り回っていた。
海沿いは高級住宅地になっている。大きく立派な民家があった。
おそらくナミビアの金持ちが住む家なのか、もしくは別荘なのかもしれない。
民家の間の道を通って、パームビーチに出た。
海は大しけだった。
近くに桟橋が見えたので行ってみることにした。
その手前で男が近づいてきた。
人通りの少ないその場所で人が近寄って来るのが怖かったが、
その男は、何かの種に彫刻を施したキーホルダーを売りたかっただけだった。
この類の土産屋は、ウィントフックにもいた。
桟橋の先にレストランがあるみたいだったので、その先に向かって歩いてみた。
桟橋からはスワコプムンドの町が見渡せた。
スワコプムントの町の外には砂漠が広がっていた。
ナミブ砂漠である。
大西洋にナミブ砂漠、晴れていたらもっと鮮やかな景色だったろう。
写真映えはしない景色だけど、寒々しいその景色も嫌いじゃなかった。
あいにくレストランはやっていなかったので引き返した。
そのまままた町に戻った。
ちなみに、スワコプムントは、ナミビア第1のリゾート地で、
首都ウィントフックからの観光客も多い。
サム・ニュヨマ通りに戻ると、
カフェに入ってトーストサンドとビールで昼食にした。
ナミビア北部とは違って、物価も日本並みだ。
それから宿の近くのShop Riteで買い物をして帰った。
ユリちゃんがダウンしているので、
身体が温まりそうなラーメンを作ることにした。
15時頃、ようやく晴れ間が見え出した。
少し暖かくなったが、フリースを脱いでロビーにいると寒かった。
陽が沈んだ頃晩ごはんを作って、ヒデくんも一緒に3人で食べた。
深皿がないため、鍋から小皿でつまむ方式にした。
みんなで鍋をつつくと、身体が温まってきた。
後から知ったことだけど、10月のスワコプムントは冬の終わりに当るらしい。
どおりで寒いはずである。
【住所】Corner of Theo-Ben Gurirab Avenue and Windhuker Street, 9000 swakopmund
【料金】185N$(5〜6人ドミトリー、トイレ・シャワー共同)
【設備】Wi-fi、キッチン
【評価】★★★★☆
コンビで9時間。835km。300N$。