白人、黒人、黄色人種、ヒスパニック……。
真っ黒なチャドルの女性、空港内を自転車で走る警察官、
世界をまたにかけるビジネスマン。
聞こえてくるのはすべて英語。
空港を出ると、日本と違う気候に遭遇したとき、
やってきたんだ……という気分に浸れる。
やってきました、ロサンゼルス!
以前、イスラム教国のスタンプがたくさんあったパスポートで、
ハワイに入るときは、入国審査がめちゃくちゃ厳しかったけど、
今回はほとんどスタンプのないパスポートなので、
すんなりと入国することができた。
空港を出ると、FLY AWAYのUNION STATION駅行きのバスを待ち、乗り込む。
車窓から見えるロサンゼルスの町並みは、
ところどころに、背の高いヤシの木が植わっていて、なんだかイメージ通り。
いろんなカルチャーがここで発信されているのかと思うと、ワクワクする。
暖かい昼の日差しに乾いた眠気眼をしばしばさせてみる。
二度目の12月4日の始まり。
ミッドウィルシャーにある
クニコさんという方が経営するROOM & BORDINGという
G・Hに予約を入れてあった。
数日前、その宿への行き方を調べようとしたら、
知人のブログにそれはそれは親切に宿までの行き方が書かれたので、
調べる手間が省けた上に、何の迷いもなく到着することができた。
http://yepoggy.blog.fc2.com/category69-1.html
後で知った話だけど、クニコさんはアルゼンチン国籍の日本人で、
アルゼンチン、アメリカ、日本へと
各地に散った家族をこの宿に集めているところだそう。
移民の話は、奥が深くて平凡な日本人な私には計り知れないものだ。
私が滞在した期間、クニコさんはいらっしゃらなかったが、
お兄さんが対応してくれた。
少したどたどしい日本語で話され、とても、とても、親切な方だった。
空港で計ったバックパックの重さが11kg。
それにノートパソコンや、本をたくさん入れたサブバッグをなどを入れて、
たぶん15kg以上を背負って歩いたのだ。
昔は、もっと平気だったのかもう覚えていないけど、
時差ボケもあったのか、宿にたどり着いた頃には、へとへとで。
ベッドに横になると、金縛りにあうくらいぐっすりと寝てしまった。
太陽の光がまだ窓から差し込んでいる頃、
せっかくロサンゼルに来たのだから、何か見ないとと思って、
無理矢理体を起こして出かけようと、
その前に一服していたら、その間にもう暗くなってしまった。
やっぱり一日は一日分。
今日は早く寝て、明日、早く起きることにしよう。
そう思ったものの、翌朝、時差ぼけが思ったよりも激しく、
なかなか起きることができなかった。
重い体を起こして出かける用意をすると、宿にいる人をつかまえて、
サンタモニカへの行き方を聞いた。
歩いて行ける場所に、直通バスがあるそうなので、そこに向かった。
「赤いバスに乗らなきゃ、なかなか着かないから注意!」
と言われた通り、赤いバス(704号)に乗り込んだ。
ウィルシャーからサンタモニカまでは1時間以上かかる。
サンタモニカに着くと、カフェやカジュアルブランドのお店が並ぶ
サード・ストリート・プロムナードを歩いた。
思えば、昨日の機内食以来何も食べていなかった。
とにかく何か食べたくて、お店に入った。
お腹が満たされたところで、サード・ストリート・プロムナードを南下。
サンタモニカプレイスというショッピングモールを越えて、海岸に出た。
そして、サンタモニカピアという桟橋に行った。
サンタモニカピアは、映画にも登場するサンタモニカのシンボル。
ここを舞台にした映画……と思い返すと、いくつか思いつく。
しばらく歩くと、ルート66の終点としてその標識が立っていた。
広い桟橋の上には遊園地もある。
おじさんストリートシンガーが歌う歌も、その場にぴったりの渋い歌。
かなり大掛かりな撮影機材で、モデルの撮影会も行われていた。
そこからは、L.A.のビーチシティエリアも見えた。
人が多すぎないけど、カルチャーの発信地であり、
海からも近く、買い物だってできてしまう。
サンタモニカは、素敵な場所かもしれないと思った。
それから、海岸沿いのベンチで一服した。
その横に、自転車の休憩に一服しに男がやってきた。
その男はティムと言った。サンタモニカに住んでいるらしい。
ガイドブックを見ていた私に、
何か助けが必要だったら言って、と声をかけてきた。
「ロデオドライブに行きたいんですが。行き方がわからなくって」。
「そこは、サンタモニカとほとんど変わらない。しかも何もかもが高い」。
ロデオドライブは、ティムのおすすめじゃないことはわかった。
だったら……と思い、おすすめの場所を教えてもらうことにすると、
サンタモニカでゆっくり過ごすのがいいと言われてしまった。
ロサンゼルスを見るのは今日しかない、と言っても、
だったら、よけいにサンタモニカでのんびりすることをおすすめするって。
サンタモニカは、ティムにとって本当に魅力的な町のようだった。
ティムのおかげで、サンタモニカに来てよかったと思えた。
ティムはそういえど、私にとっては最初で最後のLAなので、
ロデオドライブにも行くことにした。
ロデオドライブは、一流ブランドが並ぶファッションストリートで、
ティムの言うように、世界中どこの都会にどこにでもあるような
よくあるオシャレなストリートなんだけど、
オシャレなLAピープルたちが、
いろんなブランドのショップバッグを肩いっぱいに
かけて歩いている姿を見るだけで、私にとっては興奮してしまう光景だった。
2泊しかする予定がなかったので、ベタな観光をしたかった。
だから、やっぱり次は「Holly Wood」の看板を見に行かないとと思った。
「BEVERLY HILLS」の看板を後にし(ロデオドライブの前がビバリーヒルズ)、
バスに乗って、ハリウッドに向かう。
にぎやかなチャイニーズシアターの前で、
マイケルジャクソンのスタープレートを発見し、記念撮影する。
その奥、劇場の前には200人のハリウッド・スターたちの
手形、足型、そしてサインが集まっている。
私にとっては、なかなか文字の判別が難しく、
誰のプレートなのかイマイチわからずだった。
チャイニーズシアターの隣にあるハリウッドセンター3階の奥には、
「Holly Wood」の看板が見える場所がある。
行ってみたら、思ったよりも小さくしか見えなかったけど、
まあこれはこれで満足。
16年前、NYで出会ったLAの留学生がそれはそれは魅惑的に
LAでの生活を語ってくれ、それ以来、私にとってLAは、
いつか行ってみたい憧れの町だった。
もし若い頃、ここで留学していたら人生観が変わったかもしれないなと思った。
もし、人生で海外に住んでみるという選択肢があったとしたら、LAは上位だ。
夜は節約のため、宿で料理をした。
宿の宿泊者は、日本人ばかりのいわゆる日本人宿。
もうここに住んで長いというおじさまばかりだった。
おじさまたちと一緒に晩ご飯を食べた。
アジアの安宿とはまた違ったディープさがある。
さて、明日にはサンディエゴだ。
【住所】564 N Virgil Ave, Los Angeles, CA 90004
【料金】25ドル(シングル)
【設備】Wi-Fi、キッチンあり
【評価】★★★★★
【予約】kuniko7@live.com(日本語でOK)